教員の能力開発
FACULTY DEVELOPMENT
教育企画室では、豊富で多様な教員向け能力開発プログラムやサービスを提供しています。こうした各種プログラム・サービスは、全学能力開発体系図(FDマップ)に整理されています。各教員は自らのキャリアや能力にあわせて、必要な内容を必要な段階で学習することが可能です。本学のFDマップは、国立教育政策研究所FDer研究会が作成したFDマップの枠組みを使用しています。
Contents
愛媛大学におけるファカルティ・ディベロップメント(FD)について
1. FDの定義
愛媛大学憲章に掲げる教育の理念の実現を目指した、授業の改善、カリキュラムの改善、教育・学生支援体制の整備・改革への組織的な取組の総称(愛媛大学教育研究評議会決定事項2019)
2. FDの内容
(1) 授業の改善 (Instructional Development)
個々の授業をより良いものにするための取組。具体的には、授業評価アンケート、教員相互の授業参観、授業コンサルテーション、教授法に関する講演会、シンポジウム、ワークショップ、セミナーなどがこれにあたる。
愛媛大学での取組例
- 新任教員研修会
- プレFD研修会
- 授業デザインワークショップ
- ティーチング・ポートフォリオ作成ワークショップ
- アカデミック・ポートフォリオ作成ワークショップ
- 学生による授業評価アンケート
- FD/SDスキルアップ講座
- 授業コンサルテーション
- 教員相互・同僚による授業参観、メンタ―による授業参観
- 学生との意見交換会
- 愛媛大学教育改革促進事業(愛大教育改革GP)シンポジウム
(2) カリキュラムの改善 (Curriculum Development)
学部、学科、課程、コース等において提供されるカリキュラムや教育プログラムをより良いものにするための取組。具体的には、カリキュラム・ポリシーの制定、授業科目の新設・改廃、授業科目間の関連性の検討、各種アンケート、カリキュラムの現状診断・評価・開発、またこれらに関わるセミナーなどがこれにあたる。
愛媛大学での取組例
- カリキュラム・ポリシー制定に関する教育コーディネーター研修会
- カリキュラムコーディネーター養成講座
- カリキュラム・ポリシーに対応した各授業科目の授業内容の検討
- カリキュラム・マップの作成
- 副専攻制導入の検討
- カリキュラムコンサルテーションの実施
- 各種アンケート(①新入生アンケート、②新入生セミナーアンケート、③卒業予定者アンケート、大学院修了予定者アンケート)
- 愛媛大学教育改革促進事業(愛大教育改革GP)を通した新カリキュラム開発プロジェクト
(3) 組織の整備・改革 (Organizational Development)
教育・学生支援に関わる組織の構造や組織間の関係をより機能的なものにするための取組。具体的には、教育・学生支援に関わる委員会の設置・改廃、各委員会の役割の検討、組織の現状診断・評価・再編、組織間での連携協力、管理職等を対象とした各種研修会がこれにあたる。
愛媛大学での取組例
- FDer養成講座/IRer養成講座
- 学科・コースの再編及びそれに伴う教員の再配置
- 教育重点型教員(教育コーディネーター)の配置
- 教育コーディネーター会議の設置及びその役割・権限の検討
- 愛媛大学教育改革促進事業(愛大教育改革GP)
愛媛大学全学FDマップ(教員能力開発体系図)
ミクロレベル(授業の改善)
フェーズ | プログラム・サービス名 | 目的 | 内容 |
---|---|---|---|
フェーズⅠ (導入) 気づく・わかる |
新任教職員研修(年1回) | 本学の教育に関する基礎的知識を習得する。 | 本学の教育目標、共通教育制度、単位制度 |
愛媛大学教育改革シンポジウム(年1回) | 身近な成功事例から授業・カリキュラム改革に関する知識を獲得する。 | 学内の授業・カリキュラム改革の成功事例 | |
フェーズⅡ (基本) 実践できる |
授業デザインワークショップ(年1回) | 授業デザインの基礎的知識・スキルを習得する。 | アイスブレーキング、シラバス作成法、多様な授業技法、学習評価法、模擬授業実施法 |
FD/SDスキルアップ講座(年25講座程度) | 授業実施に必要な特定のスキルの向上を図る。 | 発声法、講義法、課題解決型授業法、メディア教材作成法等 | |
SPOD関連講座(フォーラム含む) | 授業実施に必要な特定のスキルの向上を図る。 | 発声法、講義法、課題解決型授業法、メディア教材作成法等 | |
授業コンサルテーション(随時) | 授業をコンサルタントとともに振り返り、客観的に分析し、解決策をともに考える。 | 授業において学生の学習を促進する要素、学習を促進させない要素 | |
フェーズⅢ (応用) 開発・報告できる |
ティーチング・ポートフォリオ作成ワークショップ(年2回) | 教育哲学、教育方法などを反省的に振り返り、それらに一貫性を持たせる。 | 教育哲学、教育方法、証拠の振り返り |
大学教育実践ジャーナルへの論文投稿(年1回) | 授業実践を研究として客観的に検証し、その成果を文章化する。 | 授業の客観的分析、課題解決方法 | |
愛媛大学教育改革シンポジウムでの発表(年1回) | 授業実践を研究として客観的に検証し、その成果を口頭で発表する。 | 授業実践のとりまとめ | |
フェーズⅣ (支援) 教えられる |
FDer養成講座(年1回) | 各学部で授業改善を目的としたFDを企画、実施、運営することができる。 | FDニーズ把握、様々なFD手法、プログラムの開発、プログラムの評価 |
IRer養成講座(年1回) | IRの意義・方法,データ分析・管理に関する知識習得ならびに所属大学におけるIR実務の推進または改善するための具体的手法を習得できる。 | データの適切な管理・分析、組織への改善提案 | |
授業デザインワークショップならびにFD/SDスキルアップ講座の講師(複数回) | ワークショップやセミナーの講師を務めることで、企画力、授業実践力を向上させる。 | アイスブレーキング、シラバス作成法、講義法、成績評価法、発声法、講義法、課題解決型授業法、メディア教材作成法等 | |
ティーチング・ポートフォリオ作成ワークショップでのメンター(年2回) | ワークショップにおいてメンターを務めることで、メンタリング力を向上させる。 | メンタリング |
ミドルレベル(カリキュラムの改善)
フェーズ | プログラム・サービス名 | 目的 | 内容 |
---|---|---|---|
フェーズⅠ (導入) 気づく・わかる |
新任教職員研修(年1回) | 本学の教育に関する基礎的知識を習得する。 | 本学の教育目標、共通教育制度、単位制度 |
愛媛大学教育改革シンポジウム(年1回) | 身近な成功事例から授業・カリキュラム改革に関する知識を獲得する。 | 学内の授業・カリキュラムの成功事例、教育系外部資金の獲得方法 | |
フェーズⅡ (基本) 実践できる |
教育コーディネーター研修会(年4回) | カリキュラム・デザインの基礎的知識・スキルを習得する。 | ディプロマポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッションポリシー、カリキュラムアセスメント |
カリキュラムコンサルテーション(随時) | カリキュラムをコンサルタントとともに振り返り、客観的に分析し、解決策をともに考える。 | カリキュラムにおいて学生の学習を促進する要素、学習を促進させない要素 | |
SPOD関連講座(フォーラム含む) | カリキュラム運営に必要な特定のスキルの向上を図る。 | ディプロマポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッションポリシー、カリキュラムアセスメント | |
フェーズⅢ (応用) 開発・報告できる |
大学教育実践ジャーナルへの論文執筆(年1回) | カリキュラム改革を研究として客観的に検証し、その成果を文章化する。 | カリキュラムの客観的分析、課題解決方法 |
愛大GPシンポジウムでの発表(年1回) | カリキュラム改革を研究として客観的に検証し、その成果を口頭で発表する。 | 授業実践のとりまとめ、発表。 | |
カリキュラムコーディネーター養成講座 | カリキュラムの特徴と編成原理、カリキュラムマネジメントに必要な組織開発について個人メンタリングを受け様々な課題とともに深める。 | 所属大学の特徴や課題の発表、個人メンタリングを受け課題解決策の検討・発表 |
マクロレベル(組織の整備・改革)
フェーズ | プログラム・サービス名 | 目的 | 内容 |
---|---|---|---|
フェーズⅡ (基本) 実践できる |
FDer養成講座(年1回) | 全学で授業・カリキュラム・組織改革を目的としたFDを企画、実施、運営することができる。 | 所属組織の現状分析、FD推進のための課題解決 |
IRer養成講座(年1回) | IRの意義・方法,データ分析・管理に関する知識習得ならびに所属大学におけるIR実務の推進または改善するための具体的手法を習得できる。 | データの適切な管理・分析、組織への改善提案 | |
フェーズⅢ (応用) 開発・報告できる |
愛媛大学教育改革促進事業(愛大教育改革GP) | 国内外に向けた視野の広い教育改革・教育改善のための優れた取組や実践を支援し促進するため、教育経費の重点配分を行うもの。 | 中期計画で挙げられている目標達成や教育政策への対応のための組織的な取組など4種類の支援実施 |